医療事務の資格はぶっちゃけ意味ない?資格保有者と採用担当の意見を徹底調査
「医療事務の資格が意味ない説はホント?」
「資格が採用で役立つのなら取りたいのだけど…」
医療事務の資格は意味がないなどと言われると、不安であと一歩が踏み出せなくなりますよね。でも、その意見が100%正しいかというと、決してそんなことはありません。
この記事では、医療事務の資格を取る意味はあるということを、診療情報管理士資格と10年以上の医療事務キャリアを持つ私が解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
※本記事エラベルが独自に制作しています。メーカー等から商品の提供や広告を受けることもありますが、コンテンツの内容やランキングの決定には一切関与していません。※本記事で紹介した商品を購入するとECサイトやメーカー等のアフィリエイト広告によって売上の一部がエラベルに還元されます。
医療事務の資格が意味ないと言われる理由
医療事務の資格を取っても意味がないと言われる理由として、大きく以下の3つが考えられます。
資格取得に疑問を抱きながら学習してもモチベーションが上がらないですよね。まず、ここで疑問を解消して、気持ちよく学習に取り組めるようにしましょう。
資格取得が必須ではない
医療事務の資格がネガティブに捉えられる大きな理由のひとつが、医療事務は資格が必須とされていないという事実です。無資格でも医療事務の業務には携われます。
同じ病院で働く医師や看護師、コメディカルなどは国家資格を有しており、その資格がなければ業務を行えません。このような資格を業務独占資格といいます。一方で医療事務の資格は数多くありますが、どの資格も業務独占資格ではありません。資格を取っても取らなくても業務に従事できるため、意味がないと言われやすいのですね。
採用では実務経験が重視される
医療事務の求人には、応募条件として実務経験を掲げているものが数多くあります。資格よりもレセプト経験や窓口対応など実務経験を求めているということです。
医療事務の現場は多忙で、新人教育にまとまった時間を割きにくい現状があります。私が務めていた病院でも、午前診・午後診・夜診と1日中診察が行われており、外来窓口を担当していた私たちはつねに患者対応や会計業務に追われ、バタバタと動き回っていました。
このような現場では、資格を持っているほうが前提知識がある分、業務を教えやすいというメリットがあります。
資格で得られる知識と実務が別物
医療機関ごとに具体的な勤務環境はさまざまで、資格で学んだ知識が必ずしも実務で通用しないことがあります。
たとえば、新規患者登録からレセプト作成にまで利用する、「レセコン」あるいは「医事コンピューター」と言われる医療事務専用システムは、医療機関によって導入されている種類が異なるため、いくら資格を取る過程で学ぶ機会があっても、そのまま通用することは考えにくいです。仮に同じシステムであっても運用の仕方は一様ではないので、やはり知識だけでは補いにくいところです。
以上のように、資格で得られる知識が必ずしも実用に耐えうるものではないという意味で、資格を取る意味がないと言われます。
医療事務の資格は「意味ない?」採用担当に徹底調査!
前述のとおり、医療事務における採用は実務重視ですが、医療事務の採用担当者は、資格を肯定的に捉えているようです。
実際に、資格を重視するかについて医療事務の採用担当経験がある47名の方にアンケートに協力してもらい、医療事務の採用現場での資格の重要度を調査したところ次のような結果になりました。
採用担当者のアンケート調査によると、「重視する」「まあ重視する」が合わせて29名で、全体の62%を占めていることがわかります。
「あまり重視しない」「重視しない」という人の意見では、前章で紹介したように「実務経験や人柄の方が大事」と回答している人が多く見受けられました。
では、採用担当者たちが少なからず資格を重視する主な理由を、実際の意見を基に3つ解説していきます。
アンケート結果についてもっと知りたい方は、こちらの記事でより詳しく紹介しています。
医療事務の資格はどれがいい?種類や難易度、おすすめの取り方を紹介
仕事をゆっくり教えている時間がない
「採用では実務経験が重視される」でも言及しましたが、新人教育にまとまった時間を割けないという意見には強く共感します。
基本的に日常業務に追われているため、限られた時間でも教育しやすい資格取得者は教育コストが省けて助かります。
努力できる人間だと好意的に解釈できる
努力を評価してくれるのは、これから資格を取ろうとしている人には嬉しい意見ですよね。
確かに、少なくとも資格を取得しているということは、自己管理能力があり、計画的に物事を進められる人だと考えられます。これは医療事務に限らず、どの仕事をする上でも必要な素養であり、そのような人は評価されやすいでしょう。
キャリアアップにもつながる
資格は採用に役立つだけではなく、その後もキャリアアップのため活用できるという意見です。
現場に入れば実務はそのうち覚えますが、一方で体系的な知識を学ばなければ、いつまで経っても目先のルーティーンワークしかできないままです。そこで、医学一般や医療保険制度、情報管理などの専門知識を学べば、新人教育や病院経営など、より上流の仕事にも携われ、キャリアアップにもつながるでしょう。
そのような専門知識を学ぶ過程で、ついでに資格も取るという考えをすれば一石二鳥ですよね。
医療事務の資格を取る意味はある!4つのメリット
医療事務の資格を取ると、具体的にどんな場面で役に立つのでしょうか。大きく次の4つに分けて解説します。
医療事務の資格を取る4つのメリット
医療事務の資格は意味は意味ないと言われて不安になっている人は、しっかり目を通してみてくださいね。
就職・転職で有利になる
まず、医療事務の資格は就職・転職で評価の対象となり、自己PRの材料として活かせます。資格があれば、医療事務未経験者でも経験の浅さを補えますし、医療事務経験者なら経験に箔がつきます。
先ほど紹介した採用担当者アンケートでも明らかなように、実は採用において資格は重視されています。応募条件に資格重視と明記されていなかったとしても、資格が最終判断に影響を与えることもあるでしょう。
アンケート調査のなかには、応募してきた人が未経験の人ばかりだった場合、資格の有無で採用を決めると回答していた人もいました。
資格があれば応募できる医療機関の幅も広がるので、資格を保有している意味は大いにあるでしょう。
収入アップが期待できる
医療事務資格を取得していると資格手当をつけてもらえることがあります。
具体的には、診療情報管理士や診療報酬請求事務能力認定など、難易度が高めな資格は評価されやすい傾向にあります。実際、私が勤務していた医療機関では、同じ医事課でも診療情報管理士は、その他の職員より高い給与水準となっていました。
すべての医療事務資格が収入アップに直結するわけではありませんが、資格があることでキャリアアップがスムーズになりますし、間接的に影響してくる効果もあるでしょう。
実務を覚えるときにスムーズ
医療事務資格で得られる知識があれば、どの医療機関であっても実務の習得がスムーズになります。
レセプト作成なら診療報酬算定の知識があれば、医療機関によってレセコン レセプト(診療報酬明細書)を作成するコンピューターシステムのこと が異なっていてもすぐに適応できますし、窓口での受付にしても、医療保険制度の知識があれば保険証の確認・登録作業などが円滑にできるでしょう。
このように、資格は採用時だけでなく採用後の実務習得時においても大いに活用できるでしょう。
レセプト業務とは?難しい?資格いる?未経験者向けに流れとコツを解説!
取得しやすくコスパがいい
医療事務資格は、医療事務未経験者でも独学でも取りやすく、かつ、採用時に評価されやすいものが多くあります。
数ヶ月ほどの学習で取得でき、採用時にアピールできる武器となるなら、資格を取得しない手はないですよね。
また、通信講座を利用すれば、効率よく医療事務全般について学べます。スクールなどと比べると費用的にもかなり低価格に抑えられるため、独学だけでは不安、そこまで費用はかけられないという人には特におすすめです。
医療事務の資格には多くの種類があるので、どれが自分に合っているのかわからないという方は、こちらの記事で難易度や資格の詳細、おすすめの通信講座について紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
医療事務資格の難易度は?独学で取れる?|合格率を基に8つの資格をランキング紹介
医療事務の資格に関するQ&A
医療事務の資格で多くの人が疑問に思いがちなことにお答えします。
気になる疑問をサッと解決していきます。
医療事務の資格を持っていると資格手当はつく?
ただ、医療事務資格を優遇する求人は一定数あるので、その意味では資格を持っている意味はあるでしょう。
ちなみに求人検索エンジンの「indeed」で都内の医療事務求人を調べたところ、月額5,000円程度の医療系の資格手当を支給している病院・クリニックがいくつか見受けられました。
他にも資格手当が期待できる資格をもっと知りたい方はこちらの記事もぜひチェックしてみてください。
【2023年は資格に挑戦】360人が選ぶおすすめ人気資格16選|取って良かった資格ランキング
医療事務関連の資格は国家資格?
というのも、急速に進むデジタル化は医療機関でも例外ではなく、電子カルテに記録される個人情報などのあらゆる診療情報の合理的管理が、喫緊の課題として求められてるからです。
実際に診療報酬上で「診療録管理体制加算」という、医療機関にとってはインセンティブと言える点数が導入され、医療機関の情報管理に対する取り組みが評価されるようになりました。そのような診療情報管理の中核を担うのが診療情報管理士であるため、医療機関は積極的に診療情報管理士を配置しようとする流れに向かっています。
このように、診療情報管理士資格は時代の流れにフィットした資格であり、今後、国家資格化の可能性も大いに考えられます。
将来性のあるおすすめ国家資格一覧|独学で取れる資格から注目の最新資格まで紹介
医療事務の資格って難しい?独学で取れる?
以下に、主な医療事務の資格を難易度の高い順に紹介します。
難易度ランキング | 試験名 | 合格率 |
---|---|---|
1位 | 診療報酬請求事務能力認定試験 | 38.4% |
2位 | 医療事務管理士技能認定試験 | 60.4% |
3位 | 医療事務技能審査試験(メディカルクラーク) | 78.0% |
4位 | 医療事務認定実務者(R)試験 | 60〜80% |
資格を取ろうと思っているけど、どれを選ぶべきか判断できないという人は、医療事務の資格を難易度別に解説している記事も参考にしてください。あなたが望むレベル感の資格が見つかるでしょう。
医療事務資格の難易度は?独学で取れる?|合格率を基に8つの資格をランキング紹介
まとめ
医療事務の資格は意味がないのか、ということについて解説してきました。
医療事務は資格がなくても就ける職種のため、資格が絶対というわけではありませんが、採用でポジティブに捉えられるシーンも多いことがおわかりいただけたのではないでしょうか。
キャリアアップにもつながるので、合格しやすい資格から始めてステップアップしていくのがおすすめです。私自身、就職前にユーキャンの通信講座で受かりやすい資格を取り、その後、実際に医療事務員として長く務めてから診療情報管理士資格を取得しました。
ユーキャンの口コミ評判|受講者326人に聞く人気講座や無駄にしないためのアドバイスも紹介!
医療事務の資格が意味ないことはありません。また、資格を取ろうと自分から動ける人は採用時も採用後も、必ず評価されるでしょう。なので、このまま自己投資を惜しまず進んでいきましょう。
※記事で紹介されている商品を購入すると、売上の一部がエラベルに還元されることがあります。メーカー等の依頼による広告にはPRを表記します。
※掲載されている情報は、エラベルが独自にリサーチした時点の情報を掲載しています。掲載価格に変動がある場合や、登録ミス等の理由により情報が異なる場合がありますので、最新の価格や商品の詳細等については、各ECサイト・販売店・メーカーよりご確認ください。