
病棟クラークとは?経験者に聞く仕事内容・向いている人・あるある情報を紹介
目次
病棟クラークとは、医療行為は行わないものの、病棟に常駐して医師や看護師のサポートをする仕事です。医療事務や看護助手などと混同しやすいですが、結構知らない方も多い職種ですよね。
「病棟クラークってどんな仕事なの?」
「病棟クラークになるために必要は資格はあるの?」
「病棟クラークって自分に向いているのかな?」
などの疑問を解決すべく、今回は、病棟クラーク経験者5名にアンケートを実施し、
・具体的な仕事内容
・資格は必要かどうか
・向いている人の特徴
・経験者に聞いた「あるある話」
について詳しく紹介していきます。病棟クラークに興味がある方は、自分に合っているか、求められるスキルなど、ぜひ参考にしてください!
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病棟クラークとは?
病棟クラークとは、病棟において医師や看護師のサポートをする仕事です。医療現場を支える縁の下の力持ちのような存在です。
病棟クラークの仕事内容は多岐に渡り、ナースステーションでの電話対応や事務処理、入院患者対応まで病院全体の業務を効率化する役割を担っています。
サポートと聞くと裏方や事務仕事という印象をもつかもしれませんが、病棟クラークは、医師や看護師はもちろん、患者さんや患者さんのご家族とのコミュニケーションも求められる職種なんです。
病棟クラークの具体的な仕事内容|医療事務との違いは?
病棟クラークの具体的な仕事内容は病院によっても異なりますが、主な仕事内容は以下のものがあげられます。
■病棟クラークの仕事内容
- ナースステーションでの電話対応
- 患者の受付、案内
- 入院手続き書類の作成、病室手配
- 他病棟、診療科との連絡
- 診察、検査など医師のスケジュール管理
- 診療に使用する器具の準備や検査の準備
このように、病棟クラークの仕事内容は多岐に渡りますが、直接医療行為を行うことはありません。主な仕事は、事務処理や医師や看護師の補助業務です。
細かな業務内容は病棟設備や何科なのかによっても様々なので、目安として参考にしてみてください。
医療事務との違いは?
病棟クラークと医療事務は同じ事務作業をする職種ですが、大きな違いは仕事をする場所です。
病棟クラークの場合は、仕事場所が病棟なので、現場に近い場所で仕事をすることになります。一方、医療事務の場合は、外来の窓口が主な仕事場所です。
医療事務の主な仕事内容は診察の受付などのレセプト業務 レセプトとは保険者に請求する「診療報酬明細書」のこと。レセプト業務とは診療にかかった費用を算出し、各保険機関に請求する業務のこと。 、検査案内や会計精算業務など、外来で医師や看護師のサポートを行います。
医療事務についてもっと詳しく知りたい方は、仕事内容を詳しく紹介しているこちらの記事もチェックしてみてくださいね。

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看護助手との違いは?
病棟クラークと看護助手は医療従事者のサポートを行うという点では同じですが、大きな違いは仕事内容です。病棟クラークは事務職の仕事が多く、看護助手はどちらかと言うと看護職の仕事に近い職種です。
看護助手は注射やケガの手当てなどの医療行為には携わらないものの、診察や治療などを行う看護師のサポートが中心になります。
具体的には、
- 患者の食事の世話
- 入浴サポート
- 医療器具の洗浄や滅菌作業
などを行います。
外来クラークとの違いは?
病棟クラークと外来クラークとの大きな違いは、仕事をする場所です。病棟クラークは病棟で勤務するのに対し、外来クラーク外来での仕事をする職種です。
外来クラークは医療事務にも似ていますが、医療事務は受付などのレセプト業務を中心に行います。一方、外来クラークは医師のサポートも行うため、問診票やカルテ管理などを行う職種です。
勤務先の病院によって業務内容に差があるので、具体的な仕事内容については勤務予定先の病院に予め聞いておきましょう。
病棟クラークの1日のスケジュール
続いて、病棟クラークの1日の流れを見ていきましょう。
病棟クラーク経験者によるアンケートを基に、1日のスケジュールを作成しました。
対象者:病棟クラーク経験がある男女5名
募集期間:2022年5月25日~5月27日
募集方法:インターネット調査
質問内容:
・性別
・年代
・病棟クラークのスケジュール
・やりがい
・向いている人
・持っている資格
・アドバイス
■病棟クラークの1日のスケジュール
8:00:出勤
8:30〜:朝礼
9:00〜:カルテ、入退院などの準備
9:30〜:電話対応、入院案内
12:00〜:お昼休憩
13:00〜:入退院などの患者対応、事務処理
17:30:退勤(忙しい場合は残業あり)
勤務先の病院によってスケジュールの時間は異なりますが、病院によっては残業や夜勤がある病棟もあります。
医師や看護師のサポートを行う病棟クラークは事務作業だけでなく患者さんにも接するため、人とコミュニケーションをとる機会も多くあります。
また、忙しい病棟の場合はタスクが多く、スピーディーに対応することも必要です。
病棟クラークのやりがいは?
病棟クラークとして働くとどのようなやりがいがあるのでしょうか?
仕事をする上でのやりがいを病棟クラーク経験者に聞いてみました。
それぞれ詳しく確認していきましょう。
患者さんの近くで支えることができる
病棟クラークは入退院の手続きなど、患者さんやご家族様と会話する場面も多くあります。
入院中の患者さんの話し相手になったり、精神的に不安定になっているときに気持ちを汲み取り支えていくことも。
忙しい医師や看護師に代わり、心のケアをしていくことで心労を軽くしていくことににやりがいを感じていける仕事です。
患者さんやご家族から感謝されること
病棟クラークは医師や看護師だけでなく、患者さんを支えることも大切な仕事です。
患者さんに声を掛けたり、些細な会話をしたりすることで患者さんを支えることができます。
そういったことで退院時に患者さんから感謝の言葉をいただくと「この仕事を続けてよかった」とやりがいを感じる場面も多いでしょう。
医療従事者を支えているという実感が持てる
病棟クラークは医療従事者のサポートをすることにやりがいを感じる経験者の声もありました。
一般的に病棟クラークは一つの病棟に一人のため、病棟になくてはならない存在です。病棟クラークは多忙な医療現場の負担を減らし、医師や看護師が医療現場に集中できるような環境を支えています。
使命感を持って働くことでやりがいを感じられる仕事です。
病棟クラークの給料は安い?気になる手取りを調査!
病棟の縁の下の力持ち的存在である病棟クラークは、どのくらいの収入が得られるのでしょうか。
求人ボックスが発表している「病棟クラークの仕事の年収」によると、病棟クラーク(正社員)の平均年収は約276万円でした。月収だと23万円、手取りにすると約19万円程になります。
また、派遣社員では時給12,00円、アルバイトやパートでは時給988円です。
国税庁が発表している「民間給与実態統計調査」によると、日本の平均年収は「436万円」、年収中央値は「381万円」という結果が出ており、全体平均・中央値よりも病棟クラークの年収は低めであることがわかります。
同じ病棟クラークという職種でも雇用形態や勤務年数、勤務する地域などによって年収は異なるので、年収幅としては239〜536万円くらいが目安です。
また、正社員の場合はこの他に、年に数回ボーナスが支給されることもあります。 派遣社員などの場合はボーナスがないことも多いので予め確認しておきましょう。
※参考:「令和元年民間給与実態統計調査」,国税庁,(閲覧日:2022/06/15)
病棟クラークに向いてる人は?
病棟クラークに向いている人はどんな人か、経験者からの意見を基に紹介します。
■病棟クラークに向いてる人
それぞれ詳しく紹介していきます。
臨機応変に対応できる
病棟クラークは毎日様々な業務が舞い込んできます。そのため、スピード感を持って臨機応変に対応する力が必要です。
時には想定外のことを急に頼まれることもあり、任されている仕事の時間配分や優先順位を考え迅速に対応することが求められます。
気配り・心配りができる
病棟クラークは誰にでも気配り・心配りができる人が重宝されます。
医師・看護師だけでなく、様々な症状の患者さんとも接する機会が多いため、一般的な接客とは異なり、より繊細なホスピタリティを求められる場面もあります。
病棟クラークとして信頼されるためにも、相手が言葉にしていない気持ちを察して心配りができる人が向いているでしょう。
医療に興味関心がある人
病棟クラークは未経験でも仕事につくことはできますが、医療従事者のサポートをする上で医療に興味関心があることが求められます。
医療の実務を行うことがなかったとしても、患者さんやご家族様から見ると病棟クラークは医療業界に属する重要な存在です。
どの職種にも言えることかもしれませんが、病棟クラークはそもそも医療業界に興味があり、自分の力を役立てたいと思っている方でないとなかなか長続きしないでしょう。
病棟クラークで働くには資格が必要?
病棟クラークとして働く上で特別な資格や免許はありません。資格なしの未経験でも就くことが可能な職種です。
しかし、未経験から病棟クラークとして働く上で、「少しでもスキルを身につけたい」「効率よく仕事をするために知識をつけておきたい」という方は、資格を検討するのも良いでしょう。
病棟クラーク専用に作られた資格は2022年6月現在ありませんが、医療事務と仕事内容が似ていることから病棟クラーク経験者からは、以下の資格を持っている方がみられました。
■病棟クラーク経験者が保有する資格例
- 診療報酬請求事務能力認定試験
- 医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)
- 医事コンピュータ技能検定試験
病棟クラークは、未経験から始めると慣れない用語や覚えることが多く、最初は大変な場面もあるかもしれません。
資格がなくても病棟クラークには就けますが、少しでも医療に必要なスキルを身に付けたい方は、ぜひ医療事務系の資格を参考にしてみてください。
医療事務の資格について詳しく知りたい方はこちらの記事も、チェックしてみてくださいね!

医療事務の資格はどれがいい?種類や難易度、おすすめの取り方を紹介
病棟クラークで働く上で注意したほうが良いことは?
病棟クラークで働くのが未経験の方は、働く上で注意したほうが良いことは予め知っておきたいですよね。
そこで、病棟クラーク経験者に聞いたアドバイスを紹介します。
■病棟クラークで働く上で注意したほうがいいこと
実際のコメントを踏まえ詳しく解説していきます。
自分に合った病院を選ぶ
経験者の声を聞くと、病棟クラークは病院によって業務が変わったり、立ち位置が変わったりするようです。
病棟クラークは医師や看護師との連携や他病棟との連絡の機会が多くあります。そのため、医師や病棟の雰囲気や医師や看護師の方の雰囲気などが仕事のしやすさに影響があるので、予め病院内を見学するなど、雰囲気を把握しておくと安心です。
過度に気にしないようにする
経験者からの声では「過度に気にしないようにした方が良い」という声が多くありました。慣れない内は、医師・看護師の指示スピードについて行けなかったり、患者さんや患者さんのご家族にキツい言葉をかけられることもあるかもしれません。
そういった場合、どうしてもネガティブな思考になりやすくなりますよね。しかし、いちいち気にしていると、病棟クラークの仕事は毎日様々な業務をこなしていくため気にしすぎると疲れてしまい、精神的にますます暗くなってしまいます。
解決できないことを気にしても堂々巡りになってしまいますよね。時には「何とかなる!」と前向きに考え、過度に気にしないようにしましょう。
病棟クラークのあるある
病棟クラークの仕事についてさらにイメージが沸くように、病棟クラーク経験者に聞いたあるあるな話を紹介します。
■病棟クラークのあるある
それぞれチェックしていきましょう。
仕事内容が幅広い
病棟クラークは病棟に1人しかいない病院が多いため、複数の医師や看護師から同時に様々な仕事の依頼を受けます。
また、患者さんやご家族とも関わるため受付や電話対応から診療で使う器具の準備など、一般的な事務職に比べると仕事内容が幅広く、様々な対応を求められがちです。
関わる人が多くて連携が大変
病棟クラークは一人で黙々と作業をすることもありますが、人とコミュニケーションをとる機会が多い職種です。
勤務先の病棟だけでなく、他の病棟の医師や看護師、さらに患者さんやご家族など様々な立場の方と接するため、連携して業務を進めるのがなかなか大変な場面が多いです。
医療機関という特殊な環境のため医療用語を理解することも求められますが、患者さんに分かりやすく伝えたり、時には不安を取り除くような会話をする場面もあります。
そしてどの部屋に空きが出たとか、いち早く連絡を受け、部屋掃除の方に素早く連絡したり、連携がとても大事になってきます。
スケジュールは毎日異なる
病棟クラークは毎日全く同じスケジュールが決められている訳ではありません。毎日複数の仕事に対応することが多いため、自分で優先順位を考えスケジュールを組む必要があります。
また、医療現場は生死に関わる事態も起きるので、状況に合わせて臨機応変に対応することも必要とされます。
まとめ
病棟クラークとは、医師や看護師のサポートをする仕事です。医療現場を支える縁の下の力持ちのような存在です。
最後に、病棟クラークの仕事内容についてもう一度紹介します。
■病棟クラークの仕事内容
- ナースステーションでの電話対応
- 患者の受付、案内
- 入院手続き書類の作成、病室手配
- 他病棟、診療科との連絡
- 診察、検査など医師のスケジュール管理
- 診療に使用する器具の準備や検査の準備
病棟クラークは患者さんから感謝されることも多く、医師・看護師との連携も必要なため、医療現場を支えているというやりがいを感じられる仕事です。医師や看護師の手が回らない医療に関するサポート業務に携わることで、社会に貢献していくことができます。
未経験からでも採用している病院も多くありますが、「予め知識を身に着けておきたい」「未経験でもアピールできる武器がほしい」という方は、医療事務関連の資格を取得しておくのも良いでしょう。気になる方はぜひ前向きに検討してみてくださいね!

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